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【妄想小話】 ロビン・ランスの憂鬱 4
2011-07-05 (火) | 編集 |
※初代PCの恋人、ロビン・ランス視点のお話。
NPCの性格や感情など、思い切り捏造していますので、苦手な方はご注意ください。
内容はPU前のものに沿っています。







翌日の朝、少しばかり警戒しながら王宮を出た。彼女に出くわせば、時間を割かれることになるのは分かりきっていたからだ。しかし彼女の姿は何処にもなく、あれだけ熱烈なアプローチを受けてきた身としては、拍子抜けしてしまった。
いや…来てほしかった訳じゃないから、それで良かったのだが。

何度となく通った、いつもの道を歩く。足は進める程に重くなるのに、自制が利かずにメイビ区2ー3へと向かう。
今日は途中で花を摘んだ。龍想華でもセシリアの花でもない、なんてことないポワンの花。オレが初めてあの人にあげたものだった。


『おおきくなったらむかえにいくから!』
『嬉しいなあ、待ってるよ』


幼い約束をオレは今でも引き摺っている。

――3年とちょっとだ。そうすれば晴れて成人、大人になれる。少しでも早く大人になりたくて、甘いお菓子を我慢したりした。子供なりの一大決心だったわけだが、勿論、そんなことをしたって何の意味も無い。結局、5歳年上のあの人は、程なくして結婚した。

成人の儀を終えたその足で、あの人を探してまわった。この日に会いに行くと、前から決めていたからだ。ようやっと見つけたあの人は、最初こそ驚いた顔をしていたが、やがてふわりと笑ってくれた。

「成人、おめでとう」

大きくなったねえ、なんて感慨深そうに口にする。

…貴方は小さくなった。
あの時は大きく見えていたのに、今ではオレが見下ろしている。それでも、あの人にとってオレは子供で、今も昔も変わってはいない。見上げてくる表情は、子供を慈しむそれだった。
大人になれば対等な立場になれると思っていたのに、まだ追いつけないのかと歯噛みした。けれど、伝えられるようになったことはある。もともと、その為に会いに来たのだ。

「オレは、貴方が好きだ」

ぽかんと口を開けたあの人は、数秒後にふっと吹き出すと「いやだわ、からかわないでちょうだい」と苦笑した。当然、からかったつもりは無い。伝わらない想いが歯がゆくて、ならばともう一度口を開いた。


「……『おおきくなったらむかえにいくから』」


この一言で、苦笑していたあの人の表情が固まった。どうやら効果は絶大だったようだ。顔を強張らせたまま、オレを見る。その視線を外させまいと、じっと見つめ返した。

「あの日の約束を、オレはずっと信じていた」

笑い飛ばしてくれたって構わない。自分でも女々しいとは思っている。
差し出した黄色い花は、知らず知らず握り締めていたせいか、少し萎れていた。

あの人の答えは聞くまでもなく「ごめんなさい」だと分かっていた。2度言おうが3度言おうが、変わることは無い。それでも食い下がった。子供だと思っているのなら、それを利用してやればいい。

「好きになってくれなくていい。子供の遊びだと思って、少しだけ付き合ってもらいたい」

あえて、「子供の」と言う部分を強調した。我ながらずるい手を使ったと思う。何度目かの告白で、戸惑いながらも諦めたかのように、あの人は力なく頷いた。
こうして、一方的とも言えるこの付き合いは始まったのだ――

一途に想い続けている、なんて言えば綺麗に聞こえるかもしれない。実際はそんなものでは無いのだ。このどろりとした想いが、綺麗な筈が無い。
その分、彼女に…ノーチェに想いをぶつけられるたび、痛かった。ひたむきな想いは、およそ「一途」と言うのに相応しいものなのだろう。

「だから、苦手なんだ……」

独りごちて、唇を噛む。もう目的地は目の前だった。

あの人は、会いに来たオレを困ったような笑顔で迎えた。当たり前だ。早朝、朝食前の家には旦那も子供もいる。
おはよう、調子はどうだ、といった他愛もない挨拶を交わし、摘んできた花を渡す。けれども「あの日」のような微笑みは、今日も貰えなかった。

帰り際に、奥で子供をあやしていた旦那と目があった。ちらりとこちらを一瞥し、すぐさま逸らした彼の青い瞳に怒りの色は無く、ただ静かだった。最初にこの家で会ったときの彼は驚いた顔をしていたし、それは直ぐに険しいものに変わったというのに。穏やかさは、かえって不気味に映った。
おざなりに軽く会釈をして家を出ると、息を吐いて、ずるずると地に落ちるように座り込む。少しして、もたれた扉の向こうから、声を揃えた「いただきます」が聞こえてきた。

目を閉じると、先程の彼の瞳が思い出された。今考えると、あれは、ただ静かなばかりではなかったように思えてくる。勝手な解釈かもしれないが、そこにあったのは憐憫の情だ。彼にとってオレは、敵視するまでもない、ただの哀れな子供だったというわけだ。

ああ、敵うはずがなかった。
年齢だとか力だとか、そういうところもそうだが、何より彼は「大人」だった。
これなら、殴られた方がマシだったかもしれない。もしくは、罵声を浴びせてくれれば良かったのだ。

「…馬鹿みたいだ」

自嘲気味にぼやいて立ち上がる。
それでも明日になれば、オレはまたあの人に会いに行くのだろう。
来た道を辿りながら見上げた空は、どんよりとした気分とは対照的に高く澄んでいる。しかし憂鬱は晴れること無く、寧ろ膨れ上がる一方で舌打ちしたくなった。

こんな日は、仕事だ。それがいい。夕方まで、みっちりと。
終わったら、そうだな……。


(ノーチェ、は…今日も来るのだろうか)


ふと思い浮かべてしまった笑顔に、はたと我にかえる。どうしてあいつの姿が浮かぶんだ?首を傾げるも答えは出ず、色々な感情がないまぜになって出来た、もやもやとした気持ちを持て余すこととなった。





▼追記であとがき
私の中のロビン君イメージで書きました。好き勝手に書いてごめんね、ロビンくん…!
書いてる本人は楽しかったです(笑)

良くも悪くも一途で生真面目で、ロザリーさん以外は興味ないって感じです。ロザリーさんのことを大事に思っているのと、恋愛のことに疎いのとで、手は出せていない…と勝手に思っています。……そうだといいなぁ(弱気
頭の中は仕事とロザリーさんがほとんどを占めている状態。その中に入り込んでいったのがノーチェ。振ったのに諦めないノーチェを、ロビン君は疎ましく思っていたんじゃあないかな~…なんて考えてます。

ロビン→ノーチェの感情の移り変わりとしては、
友人⇒若干うっとうしい⇒うっかり恋人⇒嫌いではないけど…⇒?
と、こんな感じでしょうかね。

もともと考えていたネタは、ロビン君の独白で、もっとこう……どんよりとした内容の1000字にも満たないようなものでした。
それが思いのほか増えた上に、中途半端に終わるという…実にすみません。


私の妄想にお付き合いいただき、ありがとうございました!
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