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【妄想小話】 ロビン・ランスの憂鬱 3
2011-07-02 (土) | 編集 |
※初代PCの恋人、ロビン・ランス視点のお話。
NPCの性格や感情など、思い切り捏造していますので、苦手な方はご注意ください。
内容はPU前のものに沿っています。






今年は誰に入れるの?
君がでないから決められない…。

エナの日お決まりの台詞の応酬を耳にしながら、いつもの様に賑わう朝のヤァノ市場を後にした。
恋人同士なら別として、真意であるかどうかは最早関係ないのでは…とさえ思えてしまう。
あのやり取り自体を楽しんでいるのだ、きっと。

異性の友人がいるなら「お前が出ないから…」と答えるのが良いと思うぞ、と前に一番上の兄が言っていた。どうしようもない(というと怒られそうだ)教えではあったが、良好な対人関係を築く上でそれなりには役に立っていた。要は、社交辞令ってやつなのだろう。

(…とは言え、慣れないものだな)

何度か絡まれながらも、人の間を縫って港前の通りを抜ける。ふーっと息を吐いて持ち上げた視線の先に、鮮やかな金色を見つけた。
あの人だ。

ここは王宮前大通りで、そわそわした様子のあの人。
ああデートだな、と感付いてしまい足が止まった。待ち人は自分ではない。それが誰か、なんてことは分かっている。ラヴレンチ・ボドルスキー。シルフィスティルグ員であり、あの人の旦那だ。

「…貴方が出ないから、決められないんだ」

零れ出た本音は、到底あの人には届かない。けれども近寄るのは憚られて、ただぼんやりと眺めていた。行ったり来たり、歩くとふわふわと揺れる金の髪に触れたかった。


「殿下、今年は誰に入れるの?」

声を掛けられたな…というのはわかった。

「え、ああ…おまえが出ないから決められない」

けれど、声の主が誰か、までを考えるほど頭が回らず、適当な返事をしてしまった。
一拍置いて、しまった…!と思い振り向く。そこにいたのは彼女だった。

「ちょっと待て、今のは、」
「まさか、殿下にそう言ってもらえるとは思わなかった…嬉しいなぁ」

心ここにあらずで返した言葉なのに、彼女はそれは嬉しそうに笑っている。流石に罪悪感を覚え、ふいと顔を背けた。いつの間にか、あの人は居なくなっていた。




「私とつきあって欲しいんです…!」

その直後、予想はしていたが、何度目かのそれを聞くことになった。
罪悪感があるとは言え、いつも通り「そんな気は無い」と返すつもりだった。

彼女に向き直り、悪いけど…と切り出したところで言葉が途切れた。
どこか不安げな様子で目は合わせようとしない彼女に、どきりと心臓が鳴る。薄暗闇を柔らかく照らす幻想的な光が、心なしか潤んだ瞳が、綺麗だった。


「…わかった、いいぜ」

だからだろうか。
言うはずだったものとは逆の返事が口から出ていた。
え、と短い声を発して彼女がこちらを見る。…え。思わずオレからも漏れた。
今のは無かったことに、なんて出来る筈もなかった。

もうじき昼なのだろう。コンテストの為か増えてきた人の波に紛れて、彼女が何かを言う前に、オレは逃げるようにしてその場を立ち去った。


人通りが疎らな崖前通りで、ようやく歩くスピードを緩めた。彼女が追って来ていないことを確認し、深い溜め息を吐く。
苦手だと思う部分はあれど、彼女に対して少なからず好意はある。しかし、あくまで好意であって恋じゃない。さてどうしたものか。
考えあぐねるも答えと呼べるものは出ず、頭を抱えたくなった。仕事のあれこれのほうが余程簡単な気がする。


…こうなってしまった以上、彼女のほうから離れてもらうしかない。
考えに考えて、結局浮かんだ案はそれだった。

オレが第一に想う人を知っている。それは彼女にとっての切り札かもしれないが、恐らく弱点でもある。あの人を想う気持ちの、ほんの僅かでさえも自分には向けられていないと知ったら、きっと傷付くだろう。
それでいい、好都合だ。傷付いて、離れていってくれればいいのだ。そうして、二度とオレなんかに近付こうなんて思わないでくれたら…。

(今度こそ、笑顔ではいられないだろうな)

口が滑ったとは言え、了承の返事をしたのは自分のほうだ。それなのに。


「…最低な奴だな、オレは」


ぐしゃぐしゃと頭を掻いて、往来の真ん中であることも気にせずにしゃがみこんだ。






ちょっと補足を。
メモのほうにはっきり出てきていない人が出てきてしまったので、ここで紹介しちゃいます。


Bernardベルナール・ランス (14)
ロビン君の一番上の兄、つまりは王太子殿下。
口調からすると、優しさダブルマイナスなようですが…

Lavrentiラヴレンチ・ボドルスキー (12)
ロザリーさんの旦那様。性格は「むじゃき」なシルフィスティルグ員。
3日生まれなので同い年になっていたけれど、ロザリーさんより一つ年下です。
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